もう、いいの。


「なんかこの頃元気ないね。」


ひとりでお昼御飯を食べていると、

学が乱入してきた。

みんなのお昼休みに、

電話番をするために、

今日当番のあたしは

一足先にお昼休憩をとっていたのだ。

あたしは、完全に

自分の世界に入ってぼんやりしていたので、

ものすごく驚いた。


「ごめん。脅かした?」


「うん。心臓口から出そうだった。」


学に笑われた。


「女性陣が心配してた。

あんた、元気ないから。」


あたしはちょっと感動した。

そんな些細なことに、

気づいてくれていたんだ。


「どして?」


「どしてかな。」


「オレに口走ったことを、

思い悩んでる、とか?」


あたしはふっと笑ってやった。


「自意識過剰~そんなのすっかり忘れてた。

どうせたいしたこと言ってないんでしょ?」


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