ハート雲―・・・。
「...波婁...?」


「ん?」



「...帰る。」



何か気が抜けた。


唖然として我に返った瞬間
急に眠くなってきた。


「え、マジ?」


波婁は、残念そうな顔になった。


「マジ...。バイバイ」


波婁の表情に気づかないふりをして
あたしは、帰り道の方向を向いた。



「あ...蒼音っ!」


帰ろうとした時、
波婁に呼び止められた。


「瑠葵ってさ...あんなんだけど...
めちゃ良い奴だから...。」




「...分かってる。じゃねっ!」



途中まで聞いて
あたしは、再び帰り道を歩きだした。



―瑠葵...。




初対面から唖然とさせられちゃったけど...。



悪い奴じゃないって事だけは、思ってた...―。




―波婁と似てる感じだったから...


良い奴だって事も何となく分かった...―。
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