愛しいキミへ
涙を手で拭う。
けど、次々と溢れてきて意味がなくなる。
その内、何もしなくなった。
いくら隠そうとしてもこの気持ちに嘘を付きたくはない。
だって泣くほど好きって事なんだもん。
唇を噛みしめて泣くあたしを彼はずっと見てる。
不思議と恥ずかしい気持ちはなかった。
あなたの事が好きすぎて泣いちゃうあたしを。
勘違いが多いあたしを。
お母さんの言う事に逆らえないあたしを。
もっと知ってもらいたかった。
あなたに会って3日目。
それだけでこんなに好きになっちゃうあたしはおかしい?
意地悪で優しいあなたよりおかしいかな?
でもね、恋に年齢は関係ないって言うけどそれと同じように好きな気持ちは長さじゃないよね。
長かろうと短かろうと気持ちが大きい方がいっぱい好き。
それだけだよ。
だから伝えたいんだ。
結果は分からないけど。
あたしの気持ちを知ってほしい。
ただの客から言われても迷惑なだけかもしれない。
迷惑はかけないように振られたら、もう会わない。
店には来ない。
自分勝手かも知れないけど、聞いて。
「あたしね、店員さんに伝えたいことある」
「ん?」
あぁ、もう何でそんな優しい声だすの。
答えは決まってるようなもんなのに。
「あのね」
「あたし」
「好きになっちゃった」
ぎゅっと目を瞑りながら言った。
ずるいかもだけど、彼がどんな反応をするかが怖かった。