蒼い月を見つけたら
01 : PROLOGUE
a - AWAKING
突然目が覚めた。
目を開こうとすると何かが目に付き刺さったような痛みがはしる。
「・・・っ!」
思わずきつく目を閉じてから今度は右手を目の辺りに添えて、恐る恐る目を開く。
最初に目に入ったのは、どこまでも青い空。
雲ひとつないとはこんな空のことを言うのだろう。
先ほど目に付き刺さったのは青い中に唯一白い太陽から投じられた強い光線だったようだ。
右手を目の辺りに添えたまま起き上がろうと、左腕で上体を起こそうとすると左手首に鋭い痛みがはしった。
「痛っ!」
背中が地面にかるくバウンドする。
この感触はコンクリートだろうか。背中から太陽の熱がじわりと体にしみこんできた。
もう一度、今度は慎重に右手を支えにして起き上がる。
そうしてやっと目に入ったのは水色のペンキで塗られたフェンス、給水用とおぼしき白く大きなタンク、そしてドコデモドアのようにぽっかりと浮かんだドア――ここは、どこかのビルの屋上らしい。
「どこなのかな、ここ。」
見渡しても青い空と水色のフェンス以外の情報は得られなかった。
ただ、ひどく暑いことだけがわかった。空の色からもわかるように今はきっと夏だ。もしくは、夏に向かう途中かもしれない。
「暑い・・・。」
額の汗をぬぐおうとして、何か赤いものが目に入った。
「え?」
震える左手を額からはずしてゆっくりと焦点を合わせる。
――赤い
熱かったはずの体がガタガタと震えた。
「いやあああーーーっ!」
左手にべっとりとついたそれは、乾きはじめて間もない血だった。
意識はもう一度深いところへと沈み込んでいった。
目を開こうとすると何かが目に付き刺さったような痛みがはしる。
「・・・っ!」
思わずきつく目を閉じてから今度は右手を目の辺りに添えて、恐る恐る目を開く。
最初に目に入ったのは、どこまでも青い空。
雲ひとつないとはこんな空のことを言うのだろう。
先ほど目に付き刺さったのは青い中に唯一白い太陽から投じられた強い光線だったようだ。
右手を目の辺りに添えたまま起き上がろうと、左腕で上体を起こそうとすると左手首に鋭い痛みがはしった。
「痛っ!」
背中が地面にかるくバウンドする。
この感触はコンクリートだろうか。背中から太陽の熱がじわりと体にしみこんできた。
もう一度、今度は慎重に右手を支えにして起き上がる。
そうしてやっと目に入ったのは水色のペンキで塗られたフェンス、給水用とおぼしき白く大きなタンク、そしてドコデモドアのようにぽっかりと浮かんだドア――ここは、どこかのビルの屋上らしい。
「どこなのかな、ここ。」
見渡しても青い空と水色のフェンス以外の情報は得られなかった。
ただ、ひどく暑いことだけがわかった。空の色からもわかるように今はきっと夏だ。もしくは、夏に向かう途中かもしれない。
「暑い・・・。」
額の汗をぬぐおうとして、何か赤いものが目に入った。
「え?」
震える左手を額からはずしてゆっくりと焦点を合わせる。
――赤い
熱かったはずの体がガタガタと震えた。
「いやあああーーーっ!」
左手にべっとりとついたそれは、乾きはじめて間もない血だった。
意識はもう一度深いところへと沈み込んでいった。