蒼い月を見つけたら
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「メルド様。」
暗闇から声がした。
「サリナか・・・また厄介なのに見つかったなあ。」
「ルナ様もご一緒なのですか?」
暗闇から現れたのは腰ほどまである紅の髪を持つ女性だった。顔立ちはきつめだったが、きれいな人だなという印象を受けた。
「全く。目ざといね、サリナは。」
「ルナ様を引き渡してください。あとは私たちにお任せくだされば・・・」
「ちゃんと始末してあげます、って言うの?冗談じゃない。アポロはこちらの味方だ。ミアを譲る気は毛頭ないよ。」
「まだそんな事を仰るのですか・・・!」
空気が痛い。
緊迫した感情が場を満たしていて、思わず体を強張らせた。
それに気づいたルイトはミアに向かってにこりと微笑んだ。
「ごめんね、ミア。よくわからない話して。」
「何を仰っているのです、メルド様。」
ルイトが『サリナ』と呼ぶその女性はいぶかしげな声を出した。
「だってミアってば、なーんにも覚えてないんだよ?」
「何ですって?」
そんな女性にルイトはさらに追い討ちをかける。
「あれ、聞こえなかった?ミアは、『記憶喪失』だって言ったんだけど。」
「な・・・戯言を・・・。」
「ほんとだよ。」
ルイトがひょいと肩をすくめた。
「ルナ様!こちらにいらしてください!メルド様に何を吹き込まれたかは分かりませんがそのような言葉に惑わされてはなりません!」
ルイトはミアの頭にぽんと手を置いた。
「さあねぇ。とりあえず今のところ僕にもよくわからないんだ。でも、彼女は僕と一緒にいたいみたいだし、ここは引き下がってくれないかなあ?」
「何を仰るのです、メルド様!私どもが守るべきものはもう何度も申し上げたでしょう?」
「なに言ってるの?僕がそんなことに協力するとでも?ミアを失うくらいなら世界中を敵に回したほうがいい。」
暗闇から声がした。
「サリナか・・・また厄介なのに見つかったなあ。」
「ルナ様もご一緒なのですか?」
暗闇から現れたのは腰ほどまである紅の髪を持つ女性だった。顔立ちはきつめだったが、きれいな人だなという印象を受けた。
「全く。目ざといね、サリナは。」
「ルナ様を引き渡してください。あとは私たちにお任せくだされば・・・」
「ちゃんと始末してあげます、って言うの?冗談じゃない。アポロはこちらの味方だ。ミアを譲る気は毛頭ないよ。」
「まだそんな事を仰るのですか・・・!」
空気が痛い。
緊迫した感情が場を満たしていて、思わず体を強張らせた。
それに気づいたルイトはミアに向かってにこりと微笑んだ。
「ごめんね、ミア。よくわからない話して。」
「何を仰っているのです、メルド様。」
ルイトが『サリナ』と呼ぶその女性はいぶかしげな声を出した。
「だってミアってば、なーんにも覚えてないんだよ?」
「何ですって?」
そんな女性にルイトはさらに追い討ちをかける。
「あれ、聞こえなかった?ミアは、『記憶喪失』だって言ったんだけど。」
「な・・・戯言を・・・。」
「ほんとだよ。」
ルイトがひょいと肩をすくめた。
「ルナ様!こちらにいらしてください!メルド様に何を吹き込まれたかは分かりませんがそのような言葉に惑わされてはなりません!」
ルイトはミアの頭にぽんと手を置いた。
「さあねぇ。とりあえず今のところ僕にもよくわからないんだ。でも、彼女は僕と一緒にいたいみたいだし、ここは引き下がってくれないかなあ?」
「何を仰るのです、メルド様!私どもが守るべきものはもう何度も申し上げたでしょう?」
「なに言ってるの?僕がそんなことに協力するとでも?ミアを失うくらいなら世界中を敵に回したほうがいい。」