蒼い月を見つけたら

d - WHAT SHOULD I DO ?

「へぇーえ。本当に何もわからねえんだ。」


 ルイトとミアが交代で昨日からのことを話すと、カイは納得したように頷いた。


「ま、俺としてはよかった部分もあるんだけどよ。・・・んで、どうするんだ?これから。」

「ちょっと待ってよ、カイ。」


 ルイトがストップをかける。


「君、逃げるとき何も考えなかったの?これからいったいどうしようと思ってたの?」

「いや、別に・・・何とかなるかな、と。」


 大きなため息・・・ルイトの。


「君ってばいつもそうだよね。」

「悪かったなっ。」

「・・・。」


 ミアは呆然としながら目の前のやり取りを見ている。
 あんまり事態は深刻そうではない。そう見えるのはカイのせいか?


「じゃあ・・・」

「俺はしばらくここで隠れるってのがいい案だとおもうぞ。」

「・・・。」

「下手に動いても仕方ねえし、打開策を見つけるまでってので、どうだ?」

「・・・はぁ。」


 ルイトはため息をついた。


「残念ながら僕も同じ案。いいよ、少しくらいならここにとどまって。下手に動くと目立ってかえって見つかりやすいだろうからね。」

「だろ?」


 カイはにっと笑った。


「というわけで、しばらくここに住むことになったから。」


 唐突にカイがミアに向かって言う。


「・・・わたしも?」

「当たり前だろ?お前他にどこ行くっていうんだよ。」

「・・・。」


 ミアはちょっと眉を寄せた。





 この二人を信頼していいのか?

 いまだに自分のおかれている状況はよくわかっていない。ルイトとカイが言うことだけがミアのすべてだ――もっと多くのことを知らねばならない。

 じっとしていれば不安がつのるだけだ。


 今は、この二人を信じるしかないのだ――きっと。
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