蒼い月を見つけたら
「うん。ミアとどうして別れたかってことでしょ?」
「さすがルイト。」
にっと笑うカイ。
「お褒めにお預かりまして。・・・で、どうしたの?」
「あんまりミアに聞かせたくなかったんだ。たぶん、あいつが記憶をなくしてることと関係してる。」
「原因がわかるの?」
「たぶんな。」
カイの表情が引き締まった。
そして、いくらか声を潜める。
「率直に言ってやる。『イレブンス』が出たんだ。」
「!」
「しかも力がハンパねえ。ミアが一瞬で意識操作にやられた。」
「なんだって!そんな力を持つ『イレブンス』が・・・」
信じられない、といった表情のルイトに、カイは着ていた服の裾を捲り上げた。
「・・・!」
かなり治ったとはいえ、ひどく痕が残る深い傷。右わき腹に何かが貫通したようなケガだったのだろう。痛々しい痕に、ルイトは思わず顔をしかめた。
それより何より、『アポロ』にこれだけの傷を負わせられるのは・・・
「意識操作のせいで、ミアが俺を攻撃した。俺は怪我で動けなくなったからその後はわからねえ。とりあえず俺は治療してここに来た。そしたらミアもここにいた。以上報告終わり!」