蒼い月を見つけたら
04 : THANK YOU
a - TEARS OF THE MOON
寝室に入ったミアは、そのままドアにもたれかかってずるずると座り込んだ。
内容は聞き取れないが、扉越しにカイとルイトの声がする。
「はあ・・・」
大きく息を吐いた。
少し、楽になった気がした。
あの二人を信じたくないというわけではない。
むしろ、信じたい。少し話しただけでも分かっている。
あの二人が悪意を持っていないのだろうということも、何より自分を大事にしてくれていることも――
ただ、怖いだけ。何も知らずに二人についていっていいのか。
信頼してしまってもし取り返しのつかないことになったら・・・
「う・・・」
ぽろぽろぽろ・・・
昨日散々泣いたはずなのに。
まだまだ自分のなかに涙は残っていたようだ。
得体の知れぬ恐怖が自分のなかを支配する。
『何もわからない』『どうしていいかわからない』ことが恐怖につながるなど、思ってもみなかった・・・
もうどうしようもなかった。
カーテンを引いた薄暗い部屋の中で、ミアはただただ涙を流し続けた。
ミアの涙でかすんだ視界に、かすかな幻影が映る。
たくさんの人がいる。しかし、自分からはかなり遠い。避けられているのだと直感的に悟った。
「あの子が例の・・・」
「全くルナ様は何をお考えなのか・・・」
「『力』を失うことを恐れはしないのか・・・」
背筋に悪寒が走った。目の前の人々から発せられた敵意のせいだ。
――存在してはならないもの
そうだ。それが自分に与えられた称号・・・
内容は聞き取れないが、扉越しにカイとルイトの声がする。
「はあ・・・」
大きく息を吐いた。
少し、楽になった気がした。
あの二人を信じたくないというわけではない。
むしろ、信じたい。少し話しただけでも分かっている。
あの二人が悪意を持っていないのだろうということも、何より自分を大事にしてくれていることも――
ただ、怖いだけ。何も知らずに二人についていっていいのか。
信頼してしまってもし取り返しのつかないことになったら・・・
「う・・・」
ぽろぽろぽろ・・・
昨日散々泣いたはずなのに。
まだまだ自分のなかに涙は残っていたようだ。
得体の知れぬ恐怖が自分のなかを支配する。
『何もわからない』『どうしていいかわからない』ことが恐怖につながるなど、思ってもみなかった・・・
もうどうしようもなかった。
カーテンを引いた薄暗い部屋の中で、ミアはただただ涙を流し続けた。
ミアの涙でかすんだ視界に、かすかな幻影が映る。
たくさんの人がいる。しかし、自分からはかなり遠い。避けられているのだと直感的に悟った。
「あの子が例の・・・」
「全くルナ様は何をお考えなのか・・・」
「『力』を失うことを恐れはしないのか・・・」
背筋に悪寒が走った。目の前の人々から発せられた敵意のせいだ。
――存在してはならないもの
そうだ。それが自分に与えられた称号・・・