蒼い月を見つけたら
・・・違う
そう言おうとしたが、喉がからからに渇いていて声にならなかった。
「お前が何も分からないっていうなら、今から知っていけばいいだろう?」
それがいったいどうしたというのだろう。
この喪失感を埋めるには、そんな言葉では軽すぎる。
「なんでだよ・・・!ルイトはルイトでそれを受け入れようとするし!」
ルイト?ルイトはきっと知ってるよ?私が何を考えているかなんて・・・
「あいつがかわいそうじゃねえか。あんなにお前のこと大切にしてるのに・・・!」
カイは額に手を当てて、視線を床に落とした。
ああ、カイはルイトがすごく好きなんだな、と思った。ルイトのためにこんなにも怒ったり悲しんだりできるんだから。
そう思ったら、微笑がもれた。
「・・・なんだよ。何がおかしいんだよっ。」
カイがさらに不機嫌さを増して言う。
「・・・違うよ、カイ。きっとルイトはわかってる。」
「何がだ?」
「わたしが二人を信じたいと思ってることも、わたしが今なぜ二人の前に出て行きたくないかも。何を心配しているのかも。」
よくわからないが、突然に、勝手に言葉が滑り出た。
頭の中はぐちゃぐちゃなのに、言動の妙な冷静さはなぜか理解できた。そしてそれをおかしい、とも思えた。
「どうしていいかわからないんだ、わたしは。」
頬にまた涙が伝った感覚があった。
「これからどうなるのかもわからないし、どうしていいかもわからない・・・怖いよ、すごく。だってわたしの中にはまだ『なにもない』んだから――」
この喪失感は、いったいどうしたら伝わるのだろう。
空虚なこの心には、いったいどうしたら光が差し込むのだろう・・・?
そう言おうとしたが、喉がからからに渇いていて声にならなかった。
「お前が何も分からないっていうなら、今から知っていけばいいだろう?」
それがいったいどうしたというのだろう。
この喪失感を埋めるには、そんな言葉では軽すぎる。
「なんでだよ・・・!ルイトはルイトでそれを受け入れようとするし!」
ルイト?ルイトはきっと知ってるよ?私が何を考えているかなんて・・・
「あいつがかわいそうじゃねえか。あんなにお前のこと大切にしてるのに・・・!」
カイは額に手を当てて、視線を床に落とした。
ああ、カイはルイトがすごく好きなんだな、と思った。ルイトのためにこんなにも怒ったり悲しんだりできるんだから。
そう思ったら、微笑がもれた。
「・・・なんだよ。何がおかしいんだよっ。」
カイがさらに不機嫌さを増して言う。
「・・・違うよ、カイ。きっとルイトはわかってる。」
「何がだ?」
「わたしが二人を信じたいと思ってることも、わたしが今なぜ二人の前に出て行きたくないかも。何を心配しているのかも。」
よくわからないが、突然に、勝手に言葉が滑り出た。
頭の中はぐちゃぐちゃなのに、言動の妙な冷静さはなぜか理解できた。そしてそれをおかしい、とも思えた。
「どうしていいかわからないんだ、わたしは。」
頬にまた涙が伝った感覚があった。
「これからどうなるのかもわからないし、どうしていいかもわからない・・・怖いよ、すごく。だってわたしの中にはまだ『なにもない』んだから――」
この喪失感は、いったいどうしたら伝わるのだろう。
空虚なこの心には、いったいどうしたら光が差し込むのだろう・・・?