蒼い月を見つけたら

 なぜだろう。

 なぜみんなこんなにも優しいのだろう。

 ルイトも、カイも。

 私はこんなにも二人を傷つけているのに――





 そう思うと涙が止まらなかった。

 さっきまで怒りをはらんでいた灰色の瞳が、今は心配そうに自分を見つめている。



「カイ。」

「なんだ?」

「私、ちゃんと元気になるよ。」

「ああ。」

「二人のこともちゃんと信じるよ。」

「ああ。」

「だからさ・・・」




 頬に添えられたカイの手に、自分の手をそっと重ねて目を閉じる。





――今は、少しだけ泣かせて。


 そっと、つぶやいた。
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