蒼い月を見つけたら
「ほんとにわかってるのか?」
ミアがいなくなった部屋で、カイは一人ポツリとつぶやく。
灰色の――銀の瞳に悲しみの色を浮かべながら。
「お前は、自分で思うほど強くないんだぞ・・・?」
ずっとミアの頬に当てていた手をぎゅっと握り締める。
「俺が守ってやるから。」
俺はルイトとは違う。
ミアが大切で仕方ないところは同じだけれど。
「ずっと傍にいてやるから・・・だから・・・お願いだ・・・」
泣かないでくれ――
「あ、ミア♪元気になった?」
ルイトが今朝と同じように声をかけてくれる。
「うん。ごめんね、ルイト。」
「ぜーんぜん。僕は気にしないから♪」
最初に会ったときから変わらない、見ていると安心できるような笑顔を見て、思わずミアも笑顔を見せた。
「とりあえず、もう一回顔洗ってくるよ。」
「はーい♪たぶんそろそろユリアもくると思うんだ。」
「うん。わかった。」
少しだけ進歩できた。それだけでミアには大きな自信になった。
そう、あせらなくてもいい。何もかも、少しずつわかっていけばいいのだ。