蒼い月を見つけたら

e - WHO AM I ?

 ユリアが持ってきてくれたのはフードつき水色ボーダーのTシャツと、膝丈ほどの黒のワーキングスカート。玄関には大きいルイトの靴と、ユリアのミュールと並んで空色のスニーカーが置いてあった。

「やっぱりかわいいっ、ミアちゃんは水色が似合うわね~。」

「うわーーっ。ミアがスカートはいてるっっ。」


 ユリアが抱きつきルイトは驚き。


「カイに見せたい♪」

「そーよね。あの子ってばどこに行ったのかしら?」

「きっとその辺うろついてると思うよ。カイにはここ以外に行くところなんてないんだから♪」


 にっこり。

 その笑顔の裏に何か別の感情が隠されているような気がするのは気のせいか。


「あの・・・ルイト?」

「なあに、ミア。」

「・・・怒ってない?」

「僕が?」



 ルイトは心底意外、という顔をした。


「僕がどうして怒らなくちゃいけないのかな?あの単細胞が追っ手に見つかる危険もかえりみずに出歩くとか、ミアを守りもせずに逃げたりとかしても、僕はぜんぜん怒らないよ?」

「・・・」



 怒っている。
 完全に怒っている。


「大丈夫よ、ミアちゃん。ルイトとカイにとってはいつものことだから。」



 ルイトの顔を見て固まってしまったミアの肩に、ユリアがぽん、と手をのせる。

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