蒼い月を見つけたら
 テツヤは仕事(デザイン関係の会社の社長らしい)があるらしく、ミアの姿を確認するとすぐに帰って行った。

 これでやっと少し落ち着ける。

 ミアはリビングのソファに体をうずめた。隣にユリアも腰を下ろす。


「疲れたでしょう?ずっと大変だったものね。」

「うん。でも、だいぶ元気になったよ。ありがとう、ユリアさん。ルイトもありがとう。」

「いえいえ♪でも最後に後押ししたのはカイでしょ?何があったか知らないけど~」

「え、あ、うん・・・。」



 さっきのことを思い出して、ミアはなぜか恥ずかしくなった。思わずカイが触れていた頬に手を当てる。

 みるみる顔が赤くなっていくのが自分でも分かった。


「あー、もうだめ!このミアちゃんかわいすぎるわ!反則よ!」


 ユリアがミアの頭をぎゅっと抱く。


「きっとカイをちょっとくらいいじめても許されるよね!」

「な、なんで・・・?」


 意味がわからない。


「ミアの気にすることじゃないよ♪」


 にこりとルイトは笑う。それは魅力的に。

 この笑顔でいろいろごまかされていると思うのは、きっと気のせいではないはずだ。



< 42 / 62 >

この作品をシェア

pagetop