蒼い月を見つけたら
 それから数日、ルイトの部屋でユリアと3人で過ごした。


 ルイトはしばしば部屋を空けることもあったがユリアはずっと傍にいてくれた。
それがひどくうれしかった。


一人でいると不安がむくむくと頭をもたげてくる。
一緒にいてくれるユリアとルイトにはとても感謝していた。



 カイはあの日以来帰ってこなかったが、ルイトもユリアも全く心配していないようだった。
ただミアは時々あの銀の瞳を思い出してはどうしているのかな、と思いをはせていた。

たった数時間会っただけなのに、これほど強烈な印象を残していることを全く不自然に思わないどころか、会いたいと思っている自分に少し戸惑ってはいたのだが。






 また、記憶の断片と思われるような幻影もやはり時折見えてミアを悩ませた。夢の中の自分はいつも自分の存在を否定しているのだ。

 自分が狙われている理由をミアはまだ知らなかった。だが、この幻影を見る限りで自分の存在自体が罪なのだと思わずにはいられなかった。



 なぜ自分は追われているのか?



 聞きたかったが、ルイトが話そうとはしなかったために心の中にもやもやとしたものとして残っていた。それは、微かではあるが自分が何者なのかわからない不安感とともにミアの中でわだかまっていた。


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