蒼い月を見つけたら
「・・・僕は」



 ルイトは言いよどんだ。

 ミアにはその意味がわからなかったが、ユリアは分かっているらしい。ルイトの言葉を待つ前に口を開いた。



「ルイト。なぜ隠すの?言いたくないならあたしが言うわよ?」


 ルイトは答えなかった。

 ユリアは小さくため息をつくと、静かに告げた。



「ルイトはね・・・冥王星の長『メルド』よ。」

「冥王星の・・・長?」

「そうだよ。僕は、君を狙ってるサリナの上司ってことになる。・・・言いにくかったんだ、僕はもうサリナを止められないって・・・。僕のほうが上のはずなんだけどね。」



 ルイトは悲しそうに言った。



「ごめん、ミア。僕は何もしてあげられないんだ・・・」

「ルイト・・・」


 最初この部屋に来たとき。ベランダで自分の無力を嘆いていたルイト・・・その裏にはこんな理由があったのだ。


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