蒼い月を見つけたら
b - CAUSION !
自分の手を掴んで走るルイト。
ミアはその白く細い指をじっと見ていた。
「はーい、ここでストップ。」
ふいにルイトがにこっと微笑んで立ち止まった。
あたりを見渡すと、いつしか景色が一変していた。広いアスファルトの空間。おそらく昔は駐車場が何かなのだろう。ところどころ思い出したように割れ目から草が顔を出しているのが酷く印象的だった。
人の気配がない。
ここは、いったいどこなのだろう?
そこに現れた、影。
「メルド様。ルナ様。」
見覚えのある、影。
聞き覚えのある、声。
覚えている――紅。
「久しぶり、サリナ♪」
ニコニコと笑うルイト。
剣呑とした表情のサリナ――紅の髪と紅の瞳を持つ女性。ルイトのいう自分たちの当面の敵。
「見つけられてよかった・・・さあ、早く戻りましょう。多くの方があなた方の帰りをお待ちしています。」
「だからさ、嫌だって言ってるのにしつこいねえ、君も。」
やれやれ、とあきれたように言うルイト。
サリナは片方の眉を吊り上げた。
「いつまでも私たちから逃げられるとでもお思いですか?」
「・・・どうしたの、サリナ?今日は機嫌悪そうだねえ。しかも強気だ。」
「よいではないですか。」
「ふうん。」
にっこり。
その笑顔に凄みが増す。
隣で見ているミアでさえぞくりとした。
「――いや、君は違うね?サリナじゃないだろう?」
はっとしてルイトを見る。
ルイトはそんなミアをなだめるようにぽん、と頭に手を置いた。
「ねえ君、そうだよね・・・『イレブンス』?」
ミアはその白く細い指をじっと見ていた。
「はーい、ここでストップ。」
ふいにルイトがにこっと微笑んで立ち止まった。
あたりを見渡すと、いつしか景色が一変していた。広いアスファルトの空間。おそらく昔は駐車場が何かなのだろう。ところどころ思い出したように割れ目から草が顔を出しているのが酷く印象的だった。
人の気配がない。
ここは、いったいどこなのだろう?
そこに現れた、影。
「メルド様。ルナ様。」
見覚えのある、影。
聞き覚えのある、声。
覚えている――紅。
「久しぶり、サリナ♪」
ニコニコと笑うルイト。
剣呑とした表情のサリナ――紅の髪と紅の瞳を持つ女性。ルイトのいう自分たちの当面の敵。
「見つけられてよかった・・・さあ、早く戻りましょう。多くの方があなた方の帰りをお待ちしています。」
「だからさ、嫌だって言ってるのにしつこいねえ、君も。」
やれやれ、とあきれたように言うルイト。
サリナは片方の眉を吊り上げた。
「いつまでも私たちから逃げられるとでもお思いですか?」
「・・・どうしたの、サリナ?今日は機嫌悪そうだねえ。しかも強気だ。」
「よいではないですか。」
「ふうん。」
にっこり。
その笑顔に凄みが増す。
隣で見ているミアでさえぞくりとした。
「――いや、君は違うね?サリナじゃないだろう?」
はっとしてルイトを見る。
ルイトはそんなミアをなだめるようにぽん、と頭に手を置いた。
「ねえ君、そうだよね・・・『イレブンス』?」