蒼い月を見つけたら
 ユリアは、腕の中でミアが意識を失ったのを知った。

 血の気が引いた。

 なにしろ相手は『セドナ』だ。どういう能力を使ったのかわからないが、ミアに危害を加えたのは確か。

 ルイトの気配がいよいよ物騒なものに変わる。



「覚悟できてる?」

「なんの?」


 ルイトはにこっと笑った。

 もしここにカイがいたら一瞬で飛び退るほどの物騒な気配を持つオーラを放っている。


「もちろん・・・」


 ルイトは右手に『力』をこめた。

 淡く手が光を帯びる。



「死ぬ、覚悟。」



「やめなさい、ルイト!」

「ごめーん、ユリア。ちょっと無理。こいつ倒さないと僕の気がすまないよ♪」



 にっこり。


「ルイト!もーっ、ばかーっ!」


 とめられないことはユリアにも分かっている。

 代わりに力を失ったミアの体をぎゅっと抱きしめた。

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