蒼い月を見つけたら
b - PRINCESS OF THE MOON
「到着~っ!」
ルイトの声に恐る恐る顔を上げると、そこは薄暗い公園だった。
きょろきょろ見渡すと遠くのほうにビルの明かりが見えた。
どうやら街からは外れたらしい。
人影は全く見当たらず、最も近いアパートに明かりがまったく灯っていないことは現在時刻が深夜であることを告げている。
「ありがとう。」
降りようとした、が、ルイトは降ろしてくれない。
「あの、降りたいんだけど・・・。」
「いや、って言ったら?」
「何で!」
「抱き心地いいから♪」
「っっ・・・!」
思いっきり睨みつけたらしい。
ルイトはしぶしぶといった感じにおろしてくれた。
「それで、わたしを屋上という監獄から救ってくださった騎士(ナイト)様。私はいったい誰なのか教えてくれる?」
「仰せのままに。」
騎士(ナイト)と言ったのがかなりお気に召したらしく、ルイトは跪いて恭しく礼をした。
「君はね、とある国のお姫様なんだ。君の国はとっても強い国だった。隣の国と二つですべての国を治められるくらいにね。それが、あるとき君の国の大臣様が反乱を起こしてね。君は命を狙われることになった・・・」
「ちょっと待って。」
思わず話を分断した。何がお姫様だ。調子に乗りすぎだ。
「わたし何も覚えてないけど、あなたの話が荒唐無稽だってことくらいはわかるよ?わたし、本気で困ってるの。お願いだから本当のことを教えて!」
「半分くらい本当なんだけど・・・。」
「全部本気の話がいい。」
「もうー。そんなとこはちっとも変わってないなあ。」
ルイトは少しがっかりした様子で唇を尖らせた。そしてベンチのほうに導くと、二人で腰掛けた。
ルイトの声に恐る恐る顔を上げると、そこは薄暗い公園だった。
きょろきょろ見渡すと遠くのほうにビルの明かりが見えた。
どうやら街からは外れたらしい。
人影は全く見当たらず、最も近いアパートに明かりがまったく灯っていないことは現在時刻が深夜であることを告げている。
「ありがとう。」
降りようとした、が、ルイトは降ろしてくれない。
「あの、降りたいんだけど・・・。」
「いや、って言ったら?」
「何で!」
「抱き心地いいから♪」
「っっ・・・!」
思いっきり睨みつけたらしい。
ルイトはしぶしぶといった感じにおろしてくれた。
「それで、わたしを屋上という監獄から救ってくださった騎士(ナイト)様。私はいったい誰なのか教えてくれる?」
「仰せのままに。」
騎士(ナイト)と言ったのがかなりお気に召したらしく、ルイトは跪いて恭しく礼をした。
「君はね、とある国のお姫様なんだ。君の国はとっても強い国だった。隣の国と二つですべての国を治められるくらいにね。それが、あるとき君の国の大臣様が反乱を起こしてね。君は命を狙われることになった・・・」
「ちょっと待って。」
思わず話を分断した。何がお姫様だ。調子に乗りすぎだ。
「わたし何も覚えてないけど、あなたの話が荒唐無稽だってことくらいはわかるよ?わたし、本気で困ってるの。お願いだから本当のことを教えて!」
「半分くらい本当なんだけど・・・。」
「全部本気の話がいい。」
「もうー。そんなとこはちっとも変わってないなあ。」
ルイトは少しがっかりした様子で唇を尖らせた。そしてベンチのほうに導くと、二人で腰掛けた。