セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
【執筆中!】


いつからこうなっちゃったんだろう



素性の良く知らない
男の


ただ
本当は少しくらい
頼りがいはあるかもしれない


広い背中を



感情のない瞳で
…眺める



きっと今



私の眼球は
深緑色の
ビー玉みたいだ



「よかったら…連絡先教えてよ」


上半身裸の男が
振り返って


タバコの煙を
くゆらしながら言う



私は

こっちはそんなつもりないんだけど


と心の中で
つぶやく


だけど
言葉は違う


「もう、こんなことこれが最後って思ってるから…」


私って演技派

今の表情は
…誰にでもできるようなもんじゃないよ



「そっか…残念
これ、約束の金」



お金を
受け取ったら


すぐに
男とは別れる



これが私の
ルール



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