セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―

失神した私は
ホテルに置いてけぼり



当たりどころが悪くて
そのまま死んでたらと思うと


…惨めだった


雨がふると

殴られたうなじが
シクシク痛むから


あの日を思い出して
なんだか…嫌だ


体を引きずって

ふと


入ったカフェで
頼んだ



ミルクティー



ミルクのじんわりとした甘みが



舌に染みて



何も考えられなくなって…



< 143 / 162 >

この作品をシェア

pagetop