セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
レイと僕は


お互いのことを
よく知らない



僕は

レイに拾われた




…行くところもなく


繁華街の
ネオンが落とした
光の屑を

糧に


生きつなぐ
僕は

どぶねずみ
みたいだった


持ち出してきた
リュック
ひとつ
枕がわりにして



毎日を
生きていくのは
ノルマ



そんな僕の前に
ある日


立ち止まる


彼女は



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