セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―


真冬の
寒い夜


高級クラブから
出て来た


深紅のドレス
のレイ


ダイヤモンドのピアス
がキラキラ光る


鎖骨も
露にして



この世に
こんなに美しいひとが
いるんだな


と思う



彼女は客らしき男を
タクシーに乗せ
手を振って
見送っている


雪が降るような
寒い夜



レイの白い肌は
寒さを感じないかのように
匂い立ち



何か
誇らしく
際立って



僕の脳裏に
焼き付いた
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