セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
僕は


毎日少し離れたところから


レイが客を見送る姿を


見守るように
なった



帰る家も
身寄りもない



もうシャツも
ヨレヨレ



汚れた顔を
帽子を深くかぶり直して隠す


闇に包まれていく
東京


その中で
一際輝く


レイは
僕の光



僕の中に
ポッと
灯をともしてくれる


希望の
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