セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
「…そろそろ
俺達、潮時だな」


驚いてヤスタカの顔を見ると



ヤスタカが
私の首筋の絆創膏を
見ている


数時間前には
今更気にすることはないと思っていたのに


馬鹿な私



「…ごめんなさい」
途端に涙が
ぼろぼろとあふれて
嗚咽がもれて


私の熱い涙が
ヤスタカの指の
絆創膏に落ちた


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