セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
今度こそ!


アームが虚しく
空振り…


「あ~ぁ…!」



と思ったら
タグがひっかかって
くまは取り出し口へ
運ばれた



ボフッ



穴の中へ落ちて




俺は内心ガッツポーズ


だけど
平静を装い
彼女にそれを渡す


「ホラ、やるよ」




たった300円の
プレゼント
だけど
彼女は大喜びをするんだ



「やったあ!やっぱりカッコいい!ケンイチ!」



そう言って
子犬のように
じゃれつくんだ



俺は気付いてる



だけどそれを
口に出してしまったら



君は
一瞬にして
消えてしまうんだろ?
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