セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―
「嬉しい?…チカ」


俺の肩の高さの頭

やわらかい栗色の髪の毛
少しやけた肌


君は変わらない
昔のまま


俺が聞くと
チカは
眩しいほどの
笑顔になる



「私、ジュース買ってくるよ」



チカはくまを抱いて
前に歩き出す



ゲーセンの外は
ひとごみ



チカはすぐひとごみに
紛れ込む



「チカ!」



俺はチカの背中に
叫ぶ
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