嘘吐き
事が済んだ後、虚ろな目で彼がこちらを見つめた
「里奈と俺って体の相性よくない?」
「ごめん、そんなの考えたこと無いよ」
普通ならこういう時は甘えたり、可愛いことを言ったり…
そういう時間なんだろうけど、そんなことしようなんて思えない。
「相変わらずつれないですね」
「私は別に、今誰かのものになろうとか思えないからさ」
ふうん
そう言って妖しい笑みを浮かべた。
ちょっとだけぞっとする。
「まぁ、俺と付き合いたくなったらいつでも言ってよ」
「はいはい」
まずそれは無いな。
「じゃあ俺行くわ」
「うん、じゃあね」
そして彼は帰っていった。
セックスフレンドと言うのが適切な私たちの関係はこんな感じで乾ききっていた。
けどなぜか心地よさを覚えてしまう私も私だ。