嘘吐き
「お姉さん」
後ろから声がした。
釣れた。
口の端が上がりそうなのをこらえ、驚いた振りをする。
「えっ?」
振り返ってみると、そこには見た感じ自分よりはずいぶん年下の男の子が立っていた。
「隣、座ってもいい?」
「どうぞ」
すこし間隔をあけて彼が隣に座った。
振り返って見ただけでは気付かなかったけど、近くで見たら、透き通るような白い肌をしているのに気付く。
黒くて長めの髪は、撫でたくなるくらい艶々していて綺麗。
美少年ってことばがぴったり当てはまるような、そんな子だ。