嘘吐き
シャワーはいつも通り暖かいけど、涼の暖かさに比べたら、つまらないものに思えた。



このままでは初めて恋というものに落ちてしまうかもしれない…


こんなの私らしくない。


素直になってしまう自分に苛立ちを感じながら、お風呂を上がった。




ベッドに戻ると、涼は可愛らしい顔をしながら寝息を立てていた。


「もう…調子狂うなぁ…」

そう呟き、彼の眠るベッドの中へ身体を滑らせた。


外はもう明るくなりはじめている。

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