嘘吐き
ーーーー翌日の昼間
いい匂いと、包丁で何かを切っている音で目を覚ました。
時計を見ると午後2時を回っている。
台所へ行くと、涼が慣れた手つきで料理をしていた。
「おはよう。
もうちょいで出来るから待ってて」
今日も彼は笑顔だ。
「料理なんか出来るんだ。
君ほんとに17歳?」
あまりにも料理する姿がしっくりきたので、無性にからかいたくなってしまった。
「料理得意だから。
これでもまだピチピチの高校生だし」
「老けてるって、絶対」
「大人っぽいって言ってよ。
まぁ、とりあえず座って待ってて」
そう言って私をソファに座らせた。
昨日の二人はどこに行ってしまったんだ。
というか昨日知り合ったとは思えないくらいやりとりに新鮮味がなて笑ってしまう。