嘘吐き

家に帰ると、風呂上がりの涼がソファに座ってテレビを見ていた。


髪がまだ少し濡れている。


「あ、おかえり」


昨日まで他人だった人におかえりなんて言われるのは、何だか変な感じだ。


「ただいま。涼、飲もう」


「飲むって?」


「お酒に決まってるでしょ?」


酒という言葉を聞いた途端、いきなり慌てだした。


「いや無理だって!
未成年なんですけど!」


急に焦りだしちゃって…おもしろい。


「言うことは絶対でしょ?」


「そうだけど…」


「はい」


そう言って先程買った強めのお酒を笑顔で渡した。
< 33 / 117 >

この作品をシェア

pagetop