嘘吐き
家に帰ると、風呂上がりの涼がソファに座ってテレビを見ていた。
髪がまだ少し濡れている。
「あ、おかえり」
昨日まで他人だった人におかえりなんて言われるのは、何だか変な感じだ。
「ただいま。涼、飲もう」
「飲むって?」
「お酒に決まってるでしょ?」
酒という言葉を聞いた途端、いきなり慌てだした。
「いや無理だって!
未成年なんですけど!」
急に焦りだしちゃって…おもしろい。
「言うことは絶対でしょ?」
「そうだけど…」
「はい」
そう言って先程買った強めのお酒を笑顔で渡した。