嘘吐き
どれくらいこの作業を続けているんだろう
かれこれ一時間は経っているような気がする。
「もう無理…
マジで倒れるから」
頭を押さえる彼を見て、さすがにやめた方がよさそうだと思ったけど…
辛そうな顔があまりにも美しいので、もう少し続けたくなってしまった。
「じゃあ…最後の一回」
今までの中で一番長いキスをした。
唇を離した途端、気が抜けたのか、涼はソファに倒れこんで眠ってしまった。
やっちゃった…
倒れるまで飲ませる予定じゃなかったんだけどなぁ
彼を無理やり引っ張って寝室へ運ぶ。
彼の華奢な体は、思っていたよりずっと軽かった。
「ごめんね…
私と一緒にいても大変なだけだよ」
眠っている彼にそう言って、寝室を出た。