嘘吐き
「いった…」
彼が潰れてから数時間後、寝室から低い声がしたので見に行った。
ドアを開くと顔色の悪い彼がうなだれていた。
「大丈夫…?」
正直生きててよかったというのが最初の感想だった。
「マジで頭痛いんだけど…」
そう言って怠そうに上半身を起こす。
「ごめんねやりすぎちゃった」
わざとらしく言ってみた。
「やりすぎちゃったって…
里奈が何したいのか全くわかんないんだけど」
私、冷静にホントに何してるんだろ
「自分でもわかんない…
けど、あなたといるとペースを持ってかれちゃって。私が保てなくなりそうだったからいじめたくなっちゃったのかな」
言語化すると頭の中が少し整理された。