嘘吐き
「里奈、さっき何だかさみしそうだったよ?」
図星なような気がして、その言葉が少し神経に触った。
「さみしいつもりはないけど」
無意識に語気が荒くなってしまう。
「…わかったようなこと言ってごめんな」
急に申し訳なさそうな顔で謝ってきた。
そんな風にされてしまったら、どうして良いのかわからなくなってしまう。
「こっちこそごめん…
涼といるとまたこんな感じで傷つけたりしちゃう気がする。だから早めにここからでていったほうが良いと思うよ」
これでも精一杯のやさしさだった。
「今日はゆっくり寝てて」
何か言いたそうな目から逃げるために部屋を出た。