嘘吐き

そろそろ二人の関係も限界のようだ。


あ…限界を感じてるのは、私だけか。

今日は眠って、朝になったら本当のことを言ってしまおう。



カミングアウトって大好き。

心の内を言った直後の呆気にとられた顔なんて最高だ。



私は、この快感のために日々嘘を吐き続けてしまう。


自分でも認めるくらいの変人だと思う。


いつの日か犯罪者になってもおかしくないな…



ふっと唇の間から笑いがこぼれる。


「おやすみ、拓」


間抜けな顔で寝息をたてている彼の頬にキスをして、眠りにつくことにした。
< 6 / 117 >

この作品をシェア

pagetop