嘘吐き
そろそろ二人の関係も限界のようだ。
あ…限界を感じてるのは、私だけか。
今日は眠って、朝になったら本当のことを言ってしまおう。
カミングアウトって大好き。
心の内を言った直後の呆気にとられた顔なんて最高だ。
私は、この快感のために日々嘘を吐き続けてしまう。
自分でも認めるくらいの変人だと思う。
いつの日か犯罪者になってもおかしくないな…
ふっと唇の間から笑いがこぼれる。
「おやすみ、拓」
間抜けな顔で寝息をたてている彼の頬にキスをして、眠りにつくことにした。