嘘吐き
「こら」
急に頭を叩かれた。
「えっ、何…?」
「わかるんだよ、何考えてんのか。言ったでしょ?」
1ヵ月近く会わなかっただけなのに、急に大人っぽくなっちゃって。
あ…
いまさら気付いたけど、私って独占欲があるんだ。
「いいんだよ、里奈は里奈で。
俺が子供なだけ」
「うん…」
でもやっぱり納得いかない。
私だって…
「私だって変わりたいのに」
「変わったじゃん。
知り合ってからまだ大して時間が経ってないのに、俺が言うのも変だけど。
前以上に笑うし、素直だし。
それに…可愛いくなった」
思わず吹き出してしまった。
「顔真っ赤…」
そこまで照れなくてもいいのに。
「うるさい、せっかく真剣に言ったのに…」
「ちゃんと伝わったよ。
ありがと」
「ならいいんだけど…」
恥ずかしそうにぼそっと呟いた。