裏切り黒田アキラ大いにぼやく(上等なヤンキー スピンオフ)
そんなドキドキを胸に、俺は白い小さな展望台の横にバイクを止めた。



「綺麗」

街を見下ろしながらポツリとミサキが呟いた。

「…だろ?」

「ん」

国道を走る車のライトが等間隔にキラキラと光って、まるで季節はずれのクリスマスイルミネーションみたいだ。

繁華街のネオンもここから望めば、ただの飾り。

そこに渦巻く人の思惑もここからは感じられない。

「感謝しれや?」

「うん」

…可愛いんだよなぁ。

参るよなぁ、実際。
< 21 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop