裏切り黒田アキラ大いにぼやく(上等なヤンキー スピンオフ)
夜空を見上げなきゃ、そんな振りでもしなきゃ、この話は前に進めそうにない。

少し妥協して…俺は夜空を見上げた。

心はミサキに向いたまま。

「ねぇ、黒田は何を願うの?」

その声はさっきまでと180度違う。

少し弱くて…。

「…特には…ないな」

キミが欲しいなんて言えない。

「じゃ…あたしが幸せになれるように祈ってよ」

ふざけた口調の割に、眺めた彼女の横顔には…

頬には一筋の涙…。
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