裏切り黒田アキラ大いにぼやく(上等なヤンキー スピンオフ)
「寒かったら寝袋あるぞ?」

「…黒田って本格的に流星オタクなんだね」

…流星…オタク?

「俺は寝袋の話をしてるハズだが?」

「寝袋持参なトコが、オタクっぽい」

ミサキはクスクスと笑う。

その声に心がくすぐられるような気さえする。

ツナサンドを食べ終えると寝袋をミサキに渡した。

ベンチに座って足から胸辺りまですっぽりと柔らかい布地に覆われるミサキは蓑虫みたいだった。

「暖かい…」

そう呟くミサキの隣で俺は寝袋には入らず、それを尻の下に敷いてベンチに座り直した。

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