愛憎友達
「わりぃわりぃ。遅くなった」

しばらくぼーっとしていると、和飛が飲み物とホットドックを持って走ってきた。

「店は見っけたんだけど、結構混んでてさ……。はい」

昼ごはんを受け取り、朝葉はバックから財布を出した。

「ありがとう。いくらだった?」

「払わんでいいよ。俺から誘ったデートだし、おごります」

パスポート代も支払ってないのに、お昼までおごってはもらえない。

「いや、払うから。言ってよ」

「ホントいいから。その代わりもっと笑っててよ。さっきも言ったけど、全然笑ってくれないじゃん。まぁ、それが代金ってことで」

和飛は朝葉の横に座ると、ホットドックを食べ始めた。

「朝葉そんなに笑ってないっけ?」

「うん、全くと言っていいほど笑ってないね。俺の話に相づち打ってばっかだし」

一瞬のうちにテンションが下がった。

会話は弾まないけど、それなりに楽しいから笑ってるつもりだったんだけどな…。
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