愛憎友達
「そういやさ、朝葉は男とデートとかしたことあんの?」

ホットドックを半分くらい消化した頃、ふいに和飛が問いかけてきた。

「ないよ。矢野くんが初めて」

一緒にお昼を食べるのだって、休み時間男子とまるまる10分も話すのだって、全部和飛が初めてだ。

もちろん『朝葉』って呼ばれるのも……。

「へぇーそうなんだぁ……」

「何よ」

意味有り気に相づちをうった和飛に顔はかなりにやけていた。

「別にぃー。最初のデート俺にくれて嬉しいなぁって思ってさ」

「好きであげたわけじゃないよ。半ば強制だったじゃない」

「そうだけどさぁ。朝葉と行きたかったんだもん。ディズニーランド」

へへっと笑うと、再びホットドックを口へと運ぶ。

「よく朝葉のこと誘う気になったよね」

朝葉も同じようにホットドックを口へ運ぶ。

「好きな女をデートに誘っちゃいけないの?」

「いけなくはないけど…」

「だったらいいじゃんっ!」

「でも朝葉は矢野くんとつりあわないよ!?」
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