愛憎友達
仮にも気になりだしてきた相手にあんなことを言われたら、誰だって顔は赤くなっていく。

例外なく、朝葉もその一人だった。

顔がいっきに熱くなっていくのがわかる。

こんな顔、和飛になんか見せらんないよ……。

いつまでも黙りこくる朝葉を見て、和飛は朝葉の頭をポンッと叩くと、ジュース買ってくる、と言って病室を出て行ってしまった。

あの言葉を本気で否定されたとでも思っているのだろうか。

去っていく背中は少し淋しく思えた。
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