愛憎友達
和飛が戻ってきた後は、和ヱ子さんに和飛の幼い頃の思い出を話してもらった。

どうやら昔の和飛はかなりの問題児だったらしい。

中学時代の半分を過ぎるまで何度も親は学校に呼び出され、何度も頭を下げていたという。

「親父たちが交通事故で死んでも誰も俺を引き取ってはくれなかった。まぁ、普通非行少年なんか誰も引き取ろうなんて思わねぇけどな」

へへっと笑い飛ばしながら言ってはいるが、和飛の目はちっとも笑ってなんかいない。

問題児といえど、当時中学2年だった和飛に自分ひとりで生活できるだけの生活力はもちろんない。

いっちょ前に悪いことしても、体が大人サイズになろうと、中身はただの子供。

和飛に与えられた選択支は、誰か大人に頼るか施設に預けられるかの2選択のみだった。
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