愛憎友達
それには和飛も予想外だったみたい。

目を真ん丸くしてしばらく体が硬直していた。

まぁ、朝葉からしてみれば自信満々な和飛の態度は気に食わなかったけど。

それにしてもこの嫌な沈黙……。

朝葉はこれが大の苦手だった。

和飛は大きく深呼吸をすると、自分の自己紹介を始めた。

「俺のこと知らない?1-Cの矢野和飛。ほら、今回の中間までオール学年トップの……」

「あぁー!!あの川で溺れかけたっていう噂の!?」

学年トップという言葉で、目の前にいる相手が誰なのか思い出した。

学年2位の子といつもかなりの差をつくって成績を修めるあの矢野和飛。

そして噂というのはあの事件のこと――。
< 5 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop