愛憎友達
「もうすぐ家着くからこの辺でいいよ。送ってくれてありがとう」

焦る気持ちを抑えるため、できるだけ笑顔を作り、半ば棒読みになりがながら感謝の意を述べる。

真っ暗いこの公道を通るのは、本当はかなり危ない。

危ないけど……。

「ちゃんと家まで送るよ?」

一秒でも早くこの気持ち悪い視線から逃げたかった。

「ううん、いいの。もうそろそろお父さんも帰ってくるし、鉢合わせたらまずいでしょ?」
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