愛憎友達
「ごめん、矢野くん悪いけど……」

「悪いけど朝葉くるまで俺、ずっと待ってるから」

朝葉の言葉を遮って、和飛は堂々と宣言した。

「クリスマスの日。駅前にあるツリーの前に6時半」

場所と時間が設定される。

設定されたら行かないと宣言した朝葉の心が揺らぐとでも思ったのだろう。

和飛はそれと……、と言って言葉を付け足す。

「この前プレゼントした指輪、ネックレスでいいからつけてきて」

少し照れくさそうにする和飛を見ると、朝葉は自分が悪いことしているように思えた。
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