聖男子マリア様 番外編 俺様天使奔走中につき
「私を殺したら、そいつを助ける術がなくなるぞ? 私の毒は、私しか解除できないのだから」
勝ち誇ったようにアスタロスが笑う。
そんな悪魔に、もう一人の悪魔はにやりとまた笑った。
「何を言っているのでしょうか? 助けたところで解毒する気なんかないでしょ? ボクはどちらでもいいんですよ。あなたが死のうと逃げようと、鼻から期待なんかしていませんから。悪魔なんてもの、所詮カスですからね」
そう言うや否や、ガブリエルは自らの羽根を一枚抜き取り、それをアスタロスに向かって投げた。
勢いよく羽根はアスタロスに向かってまっすぐに飛んだ。
「うがぁぁっっっっ!!」
悶えるように、うめき声が響く。
アスタロスはその場に膝をつき、左手で左の顔を覆った。
それからゆっくりと顔をあげると、ぜぇぜぇと荒い息遣いをしながらガブリエルを凝視した。
ガブリエルの放った羽根はアスタロスの左目を貫いていた。
そこからは青い血が大量に流れ落ち、白い煙を立ち昇らせていた。
「ガブリエル~っ!!」
「これであなたの左目は役に立たなくなりました。もう、未来は二度と見えません。去りなさい、忌々しき悪魔よ!! 今回は緊急事態のため、それだけで許してやろうと言っているのです」
ガブリエルの羽根を乱暴に抜きながら、ふらつく足に力を込めるようにしてアスタロスは立ち上がり「覚えていろ!!」と吐き捨てた。
勝ち誇ったようにアスタロスが笑う。
そんな悪魔に、もう一人の悪魔はにやりとまた笑った。
「何を言っているのでしょうか? 助けたところで解毒する気なんかないでしょ? ボクはどちらでもいいんですよ。あなたが死のうと逃げようと、鼻から期待なんかしていませんから。悪魔なんてもの、所詮カスですからね」
そう言うや否や、ガブリエルは自らの羽根を一枚抜き取り、それをアスタロスに向かって投げた。
勢いよく羽根はアスタロスに向かってまっすぐに飛んだ。
「うがぁぁっっっっ!!」
悶えるように、うめき声が響く。
アスタロスはその場に膝をつき、左手で左の顔を覆った。
それからゆっくりと顔をあげると、ぜぇぜぇと荒い息遣いをしながらガブリエルを凝視した。
ガブリエルの放った羽根はアスタロスの左目を貫いていた。
そこからは青い血が大量に流れ落ち、白い煙を立ち昇らせていた。
「ガブリエル~っ!!」
「これであなたの左目は役に立たなくなりました。もう、未来は二度と見えません。去りなさい、忌々しき悪魔よ!! 今回は緊急事態のため、それだけで許してやろうと言っているのです」
ガブリエルの羽根を乱暴に抜きながら、ふらつく足に力を込めるようにしてアスタロスは立ち上がり「覚えていろ!!」と吐き捨てた。