聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「さぁ、行っておいで!!」


しぶしぶというわけでもなく、ガブリエルは自分を三途の河ベに導いた。



溢れる光が自分を包み、それが視界を真っ白な世界へと変える。



目を閉じ。


再び目を開いたとき。



そこにマリアの姿を見つける。



「マリ……」


名前を呼ぼうとして押しとどまる。


抱きしめて、その顔をまじまじと見てやろうとも思ったが、それも我慢する。



理由はマリアの意識が聞こえたからだ。



『こっちに来たら、いいこといっぱいあるよーなんて。
なんか思わず期待しちゃう』


おまえ、アレは餓鬼だぞ。

行けば食われて永遠に苦しむぞ。



『川を越えて来い?
川を渡れ?
渡っちゃおうかな―♪』



このバカ者が!!


渡ればおまえは死ぬんだぞ!!


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