聖男子マリア様 番外編 俺様天使奔走中につき
「真理矢には……言うな」
ヨハネに釘を刺す。
「素直じゃない」
ヨハネが返す。
なんでわざわざマリアに『死ぬほど心配した』という必要があるのか。
そんなこと言ったところで、あのバカが信じるわけがない。
あいつは自分を信頼はしているが。
好意らしきものは持ってないようだから。
「よっと……これで完了」
そう言って、ガブリエルは黒い液体で満たされた注射器をマリアの体から引き抜いた。
「問題はこれの処理だけど。やっぱりここじゃどうしようもないから、一度天界に戻って、『危険物処理』を『お願い』しないといけないですね、ミカちゃん?」
その言葉に自然に顔が苦くなる。
「それをやれと言いたいのか、ガブリエル?」
「天界に戻れるの、今はミカちゃんしかいないでしょ? ボクはまだ、マリア君の状態見届けないといけないし。この場を離れて、マリア君に何かあったら。キミ、それこそ怒るでしょ? ボクはミカちゃんに嫌われたくないし。マリア君を失うわけにもいかない。キミが嫌だろうと、これはもう行くしかないよ」
注射器をコンコンと叩いてガブリエルは言う。
「この中身。心臓だけで、これだけ増殖したのよ、ミカちゃん。それがどういうことだかわかるでしょ? ヤツの毒はまだ、マリア君の体を侵食してる。さっき、ボクが投与した『祈りの雫』で侵食を食い止めているけど、それもいつまでもつかは分からない。これを完全に浄化するためには『天の森』に行って、そこの妖精から『命の雫』を貰ってこないといけない。でも、残念なことに、彼女、ボクにはそれを譲ってくれないの」
「おまえ……また手を出したな」
ヨハネに釘を刺す。
「素直じゃない」
ヨハネが返す。
なんでわざわざマリアに『死ぬほど心配した』という必要があるのか。
そんなこと言ったところで、あのバカが信じるわけがない。
あいつは自分を信頼はしているが。
好意らしきものは持ってないようだから。
「よっと……これで完了」
そう言って、ガブリエルは黒い液体で満たされた注射器をマリアの体から引き抜いた。
「問題はこれの処理だけど。やっぱりここじゃどうしようもないから、一度天界に戻って、『危険物処理』を『お願い』しないといけないですね、ミカちゃん?」
その言葉に自然に顔が苦くなる。
「それをやれと言いたいのか、ガブリエル?」
「天界に戻れるの、今はミカちゃんしかいないでしょ? ボクはまだ、マリア君の状態見届けないといけないし。この場を離れて、マリア君に何かあったら。キミ、それこそ怒るでしょ? ボクはミカちゃんに嫌われたくないし。マリア君を失うわけにもいかない。キミが嫌だろうと、これはもう行くしかないよ」
注射器をコンコンと叩いてガブリエルは言う。
「この中身。心臓だけで、これだけ増殖したのよ、ミカちゃん。それがどういうことだかわかるでしょ? ヤツの毒はまだ、マリア君の体を侵食してる。さっき、ボクが投与した『祈りの雫』で侵食を食い止めているけど、それもいつまでもつかは分からない。これを完全に浄化するためには『天の森』に行って、そこの妖精から『命の雫』を貰ってこないといけない。でも、残念なことに、彼女、ボクにはそれを譲ってくれないの」
「おまえ……また手を出したな」