聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
その言葉に、ガブリエルはにっこりと「人聞き悪い言い方だなぁ」と答えた。


「手を出したなんて……愛には時に終わりが来るものだよ、ミカちゃん」


昔っから、こいつはそうだ。

なぜ、こいつが男性体を好んでいるのか。

そう。
単純な理由。


ヤツは女という生物が好物なのだ。


「あー。それ、間違いよ、ミカちゃん。ボクは美しいものすべてを愛してるの。性別は関係ないですから。ちなみに一番はミカちゃんだから。それだけは譲ってないから安心してね」


一番など、他の誰かにいっそ譲ってしまえ!
女ったらしが!!


「そんなこと言っちゃっていいのかなぁ? そんなふうに冷たくするんなら、ボクも言わせてもらっちゃうよ。なんならマリア君にもあとで言っちゃってもいいんだよ」

ニヤリ……


こいつはほんとに天使なのかと疑いたくなるような笑みを浮かべる。


チッ。
相手が悪すぎる。


「わかってくれたんならいいんだよね。ボクもミカちゃんの趣味をどうこう言うつもりはないですから」


趣味とはなんだ、趣味とはっ!!


おまえみたいな卑猥な趣味は持ち合わせてはいない。


「リミット解除」


ガブリエルは真顔で一言そう言った。


その言葉に……らしくないが。
本当にらしくないが。


ギクリ……と身を堅くしてしまった。
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